麻瀬憧庵                                 

ミニシルヴァン


という訳で、『ミニシルヴァン』、いやいや『偽シルヴァン』、あるいは『シルヴァンモドキ』かな。・・・ を作る事にしました。

「シルヴァン」は、昔から言われている壁面をでこぼこにして並行面を作らないという事を製品化した物ですので、定在波対策だろう事は容易に想像できますね。

だとすれば、メーカーのサイトでは、測定を繰り返して柱の配置を決めた様な事を書いてありますが、

『ホントかぁ〜?』 『いや、いや、ウソだろぉ〜!』 

というのが私の素直な感想で、ただ単に横の壁面が見えなくなるように円柱を配置すれば良いだけの事ですし、数種類の太さを使ったのは、如何にも意味があるぞと思わせるための手段にすぎないのではないの、なんて邪推してしまいます。

音波が横壁に反射する際に乱反射するように仕向ければ良いだけの事ですから、円柱は太い物少数より細い物多数の方が良いんじゃないの、という事で選んだ材料がこれ。 
水道用の塩ビパイプ13Φ(外径18mm) 2mの物を13本購入しました

リスニングポイントの耳の位置に相当する横壁の部分だけに設置すればよいので、長さ40cmに切り揃えたものを両側で合計31本用意しました。

そして正面壁にとりつける『ミニアンク』用に 50cm長さの物を27本切り出しました。
@ まずは幅89mm、厚
さ19mm、長さ1,820m
mのSPF材を壁の形状に
合わせて御覧の様に切り出
しました。
A 正確な位置決めをした
ら、このドリルの刃を使い直
径20mm、深さ約10m
mの穴をあけます。
B こんな感じに穴開けが
終わったら、下部になる部
分を壁に取り付けてしまい
ます。
C この穴にシリコンシーラ
ントを絞り出し、塩ビパイプ
を立てていきます。
上部になる板の穴にもシー
ラントを充填します。
その板を塩ビパイプの頭に取り付けたら、位置の修正を行い、壁に固定します。
  右の壁に設置した『ミニシルヴァン』

正面から壁が見えないよう互い違いに前後二列に並べています。
  左側の入り口ドアに設置した『ミニシルヴァン』

ドアの開け閉めに支障が出ないようちょっと形状を変えてあります。
 この時点で試聴してみたところ、低音部がすっきりし、分離が良くなり、レンジも伸びてバスドラの余韻も聞こえる様になりました。 予想外だったのが、高域も改善され、反響音の残響時間も伸びた事です。
次に正面壁用の『ミニアンク』を作りました。
と言っても『ミニシルヴァン』と同じ物なのですが、こちらは二回り程大きく、長さ50cmのパイプを横幅50数cm程に並べました。
 
 再び試聴したところ、こちらは非常に大きな効果が現れました。
只の定在波対策と言うよりは、音響補正ボックスと同じ効果を有しているようです。
正面からの反射波は、スピーカーから出る音波と同じ方向に向かいますから、コーナーからの放射波と同じ影響を与えているのでしょう。

 両方設置後は、ボーカルが厚みを増し生々しさがアップしました。 ギターの低音弦が自然さと量感を増し、音の重量感も増しました。 バスドラとベースとピアノの低音部の分離が非常に良くなり、三つの音がそれぞれ見える様に聴こえます。 高域の改善も顕著で、空気が更に澄み、反響音も増え、残響時間が伸び、シンバル等にも自然な響きが宿りました。

材料費、しめて3,400円也  本物を三つ買うと60〜70万円と言う事ですから、オーディオマニアと言う人種は狂ってますね(笑)

皆さんも是非お試しあれ!!
                                                       2014年7月24日・記

 ここでは塩ビパイプを使用して製作しているのですが、音響補正ボックスを段ボールで作られた方が、水道管の断熱保護材の発泡スチロールを利用して同じように製作されています。 

もしかすると、音響効果はそちらの方が大きいかもしれません。皆様も参考にして下さい。⇒ 検証報告その3

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