麻瀬憧庵                                 

ツィーターダイアフラムの交換


 46cmウーファーを導入し低域のエネルギー、質感とも大幅アップを果たしたところ、今度は高域が気になり始めました。

どうも空気の澄み具合が気になります。 澄み具合が足りない様で上方の空間が狭まっている様に感じ、下の方とのバランスがちょっと悪いように感じてしまいます。
ツィーターのレベルをちょっと上げてあげるとそれは改善されるのですが、今度は何やらシャリ、シャリとした非常に細かいざらつき感を感じ始めてしまいます。
この傾向は前からあったのですが、やはり、ウーファーを替え低域の改善を果たしてから顕著で、上下のバランスが変わってしまった為なのでしょう。

さてどうしたものかと考えてみたところ、思いついたのがツィーターのダイアフラムを交換する事でした。
JBLの2405というツィーターはヤフオクで手に入れた物なので、過去にどんな使い方をされていたか全く分からず、内部もどんな状態なのか分からないので、この際一度開けて振動板を交換してみようかと思った訳です。

純正のダイアフラムは1組2万円もするのですが、ヤフオクで互換品を2、000円で手に入れました。
果して、純正品と互換品ではどれくらいの差があるのでしょうか。


まずは分解。表のホーン
部は見えているネジ(4
本)を外せば簡単に取
れ るのですが、注意し
なければいけないのは、
内側のディフューザーは
裏から止まっているという
事です。

裏の銘板をカッターの刃
先を入れて取り外します。






裏には接着剤を塗った
跡がありました。
以前の持ち主が取り外
したのでしょうね。
まさかダイアフラム交換
されてないだろうな。



この真ん中のネジが表の
ディフューザーを止めて
いるネジですので、これ
を緩めないで無理やり
ディフューザーを外そうと
するとダイアフラムも一緒
に回ってしまい壊れます。

部品点数はこれだけ。
非常にシンプルですね。







一応純正のままのようで
すが、V字の凹み部分に
ディフューザーから剥れた
細かい塗料の粉が沢山
落ちていました。これが
耳障りな雑音の原因
かもしれません。


もう片方のダイアフラムに
はかなりな凹みがありま
した。気をつけないとドラ
イバーが強力な磁石に
吸い寄せられて傷を付
けてしまうんですよね。



ダイアフラムを取り外すと
ボイルコイルが入るギャッ
プが現れるので、この中
も清掃しておきます。
ここで絶対してはいけな
いのが、内側の磁石を
取り外す事。一瞬で
磁力ゼロになります。

こちら互換品。
ここで気になったのが内
側のスペーサーの幅が
純正品より狭い事。
おそらく純正品より動き
が渋く、こうしないと 同じ
能率が得られないのでし
ょう。

どうしようか迷ったのです
が、同じスペーサー幅に
した方がひずみの点で
は有利ではないかと思
い、同じ位の厚さのボー
ル紙を丸く切り抜いて貼
り付ける事にしました。


あとは極性を合わせて
裏のボイスコイルを傷つ
けないように磁石のギャ
ップに入れ端子をハンダ
づけします。




ディフューザーを載せ、裏
からネジを差し込み仮
止めします。






外側のケースを留めた
ら、ディフューザーの向き
を合わせ、裏のネジを締
め固定します。
銘板を接着して完成。

今まで裸のままスピー
カー上部に置いていたの
ですが、今回いい機会
なのでツィーター用のキャ
ビネットを作りました。

前面はちょっと下向きに
なっています。試聴位置
の耳に向かってスピー
カー軸が真っすぐ伸びる
角度です。

こんな感じに仕上がり
ました。
その後、黒のスプレー塗
料でスピーカ本体共々
着色しました。

 ダイアフラム交換後、シャリシャリしたザラツキ感はいくらかましになったとはいえそれ程の改善は見られずじまい。
オーディオチェックCDの正弦波スポット信号を手持ちのサウンドレベルメーターで測定してみたりしたのですが、正確なところは分からず行き詰ってしまいました。

もう高周波になったら耳で判断するのは不可能ですね。 実際気になっている部分はほんとはもっと低い周波数帯域に原因があるのかもしれませんし、そうなるとドライバーの周波数特性も正確に知る事が必要になりますね。

という訳で、スピーカーシステム全体の周波数特性を正確に測定する方法を探る事にしました。
                                               2020年4月23日・記

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