麻瀬憧庵                                 



C必要十分条件


 生音を出す為の必要十分条件ですね。 つまりは音場を出現させるための必要十分条件です。

一つはBでも書きましたスピーカーの周波数特性。もう一つは部屋の音響。音の響き、つまりは反射具合と申しましょうか。
どちらが必要条件で、どちらが十分条件なんでしょう。
どちらかというと音響が必要条件なんでしょうか。
部屋の音響を整えた上で、スピーカーの周波数特性の調整を図る。本来はこうでしょうね。

 部屋の音響で問題となる物はというと、一般的には定在波という事になりますね。特に低域に与える影響が大きいという事で、これはどなたも共通して問題視しているものですが・・・・・
しかし私が経験してきた中では、定在波の悪影響をあまり感じた事はありません。まっ、家がぼろく、定在波が存在しにくい部屋であったという事は強く言える事ではありますが。

 いくつかのサイトを覗いたところ、この定在波の影響を受けにくくする為、リスニングポイントは部屋の左右の中心ではなく、どちらかにずらす方が良いと書かれていますが、私の考えはこれとは真逆で、部屋は左右対称に使うべきであると思っています。(理由は次の章で)

 はっきり言って、大事な音場を出現させる為に重要なのは、低域よりも高域。
定在波よりもっともっと、スピーカーから出た音に直接、そして広範囲な影響を与える困った音が存在するんです。

これらの影響から逃れる為、お金持ちはオーディオルームその物にうん千万という大金をかけたりするんですが、でも、この音の存在に気付いて的確な処理をしているような部屋はないような、そんな例の方が多いような気がするんですが。

次から、この二つの条件について、またこの二つの調整の仕方について詳しく解説したいと思いますが、その前に、私が今現在の音を聴くに至る為に、非常に参考にさせて頂いたWebサイトをいくつかご紹介させて頂きます。

『オーディオの科学』
 こちらはとても科学的な考察がされており非常に勉強になるサイトなんですが、やはり、ご自身の知識に絶対的な自信をお持ちでいらっしゃる為、途中のちょっとした考えの欠落により、間違った結論に達していてもお気づきでないような記述も見られます。
又、ご自身自らトライ&エラーするような試みがあまり見られず、全てが他からの知識で成り立っているように見受けられ、それらの物もご自身の主張に沿う物だけを集められているようで、読んでいるとちょっとしんどい気分になってしまいますが、一度目を通して見て損はないサイトです。

『石井式リスニングルームの研究』
 ここは低域伝送特性について詳しく書かれているサイトです。特に定在波についてはアニメーションなども多用してあり勉強にはなるんですが、難しすぎて良く分かりません。
がっ、実際の部屋での測定結果のグラフが見られますので参考にはなります。

『PRO CABLE』
 こちらは数年前、ネットを賑わせたサイトですね。オーディオ機材の販売店です。
何と申しましょうか、表現の仕方が煽情的で、かつ独善的。名前通り、プロ用が一番、それ以外は粗悪品という言い方がピュアオーディオファンの気持ちを逆なでにし、非常な怒りを買っておりますね。事象の解釈が独りよがりで、お客様の声も自身のサイトを絶賛する物だけを掲載していますので(当り前ではありますが)、読んでいて辛いものがあります。

 ところが書かれている内容の7〜8割は本当に当っていて、今まで全く気付かなかった事を色々教えてくれた、私にとっては出会えてホントに良かったという貴重なサイトであります。
目から鱗という話が満載ですので、一度は目を通して見る事をお勧めします。

『音楽苦楽部』
 ここは又、非常に科学的で、かつ、ご自身で色々トライしているところが見受けられ大変楽しいサイトです。
ここでは、上の『PRO CABLE』に対する考察が書かれたりしていて(「SR用スピーカはどれがいいか」内)、私も同感と笑ってしまいました。

『真空管SEPPOTLアンプのぺージ』
 こちらは自作真空管アンプマニアの方のサイトですが、アンプのみならず、スピーカーの周波数測定なども各種、念入りに行っていて非常に参考になります。又ご自身の行われている事に対してもとても客観的にみる事が出来る方の様で、書かれている事に納得させられることがとても多いです。

 それでは、私が上記のサイト等から仕入れた知識をこねくり回し、夢想し、推論し、実際のトライ&エラーにより知りえた事をお話しさせて頂く事に致しましょう。

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