麻瀬憧庵                                 


           

@オーディオへの出発点


 当たり前の事なんですが、まず、音楽ありき。

 中学3年時に洋楽に目覚めて以来、ずっと、当時のフォーク、ロック、ポップスを好んで聴き、ギターの演奏等にも夢中になって高校3年間を過ごしました。
その時には別に音質云々という事は考えもせず、ありきたりのステレオセットでレコードやカセット、オープンリールテープデッキの音等を何の不満も感じずに聴いていたのですが。

その後、友達の影響もありジャズのレコードを聴くようになってから、音質へのこだわりというか欲求が沸々と湧いてきました。

 初めはジャズそのものが面白い音楽には聞こえなかったんですが、あるピアニストの1枚のアルバムを聴いたところ、イージーリスニングのような軽快な演奏が心と体に浸みわたり、それ以来いろんなアーティストのアルバムを聴くようになりました。

 ジャズ全盛時の50年代に録音されたレコードは、ステレオ録音に切り替わった頃(57年頃)以降のレコードも、モノラル録音時のままの手法が踏襲され、各楽器の音を左右片チャンネルにほぼ完全に分離して配し、それにより、左右各スピーカーがあたかも楽器そのものになったように生々しく鳴る、というような物が非常に多くありました。

特に、トランペットやサックス等、ブラス系の物はその傾向が顕著であり、自然と、もっと生々しい音、もっとリアルな音、もっと迫力のある音が聴きたい。っとの思いが強くなりました。
それが機材へと関心を向けさせたとっかかりでした。

音が楽しい」と書いて音楽。音(声)そのものを聴いただけで癒されたり、高揚したり、とろけそうになったり。
一度そういう経験をしてしまうと、もっともっと最高の音を求める気持ちに拍車が掛かってしまうんですね。

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