麻瀬憧庵                                 

スピーカーシステムこれがほんとの最終調整 ・ ・ ・ かな?


 500Hz〜10,000Hzまでフェノリックダイアフラムの音で統一されましたので、スピーカーシステム完成に向け最終的な調整作業を行いました。

デジタル・チャンネルデバイダーの導入と周波数特性測定環境の構築で、何十年にも渡って苦労してきたスピーカーセッティングが嘘の様に簡単になりました。
特性図上の凹みや出っ張りを、よりフラットに近付ける事で音質が向上する事がはっきりと確かめられます。
クロスオーバー周波数や、そのクロスの肩特性及び遮断特性を最適化していき、更にディレイやイコライジング機能を存分に利用し、トータルの周波数特性をフラット化していきます。

それなりに時間が掛かりますが、確実に音の進化が感じられるので楽しい時間でもあります。



1) ウーファー2240のF特性です。
クロスオーバー周波数を188Hzに設定し、−48dB/oct という急峻な遮断特性でカットしてあります。
又、75Hzを中心に周囲を持ち上げる様イコライジングしています。50Hz以下をあまり出すと部屋がビビり、音漏れが心配です。

2) ミッドバスの130AのF特性
下は180Hz,上は478Hzで急峻にカットしています。
ホントは280Hz辺りを少し持ち上げたいのですが、イコライジング容量一杯の様でセットできませんでした。

3) 2482のF特性
下は478Hz、上は3,04kHzで、下は急峻な肩特性、上はクロスの近辺がなだらかに減衰する肩特性を選択しています。
1kHzから下の部分、約5dBなだらかに持ち上げる様イコライジングしています。

4) 2461のF特性
2,85kHz〜10,1kHzを受け持たせています。
7kHzから上の山を削る様イコライジングしています。

5) 2402のF特性
9,66kHz〜15,1kHz、上下を急峻にカットしています。又、13kHz辺りの凹みを持ち上げる様にイコライジングしています。

6) ハイルドライバーのF特性
ピークを潰したいのですが、イコライジング容量一杯の為素のままです。 まぁ、実際には聴こえていないので構いません。

これらを繋げたトータルのF特性が左の図です。
イコライジング機能がもう少し使えると更なるフラット化が計れるのですが、とりあえずはこんな感じに仕上がりました。
 ここからは実際に試聴してみて、細かな音合わせをしていく事になります。

まず、センターは正確に出ているか。 音像は左右で違わないか。 部分的に音のゆがみはないか。
左右の音量を合わせる時、各ユニット単体毎に音量を合わせる必要があるのですが、そのユニットの特性の違い、選んだクロスオーバー周波数の違い等により、正しく音量を判断できない時がありますので注意が必要です。

これらの作業は、チャンネル・デバイダーの各バンドの出力ゲインの値を上下させて行うのが良いでしょう。
アンプのボリュームを弄ってしまうと元の状態に戻せなくなりますから。

私の耳(目も含めて)が聴こえる最高音は約14,000Hz位まで。 そのほんのちょっと手前辺りでほぼ聴こえなくなります。

よく、耳に聴こえない様な高周波も再生されている場合、音全体の表情が変わる、つまり脳が認識している等という事を言うオーディオファンがいますが、果してどうなんでしょうかねぇ〜。

この事を確かめようと色々やってみたのですが、確かな事は何も分かりませんね。

例えば、うちのシステムのハイルドライバーは15,000Hz以上を受け持たせていますから、音楽再生中に片側のハイルドライバーをミュートさせて音の変化を感じられるかどうか試してみるのですが、ウ〜ン、良く分かりません。

アッ、変わったと思う事もあるんですが、だいたい、変われば良いなと希望的な考えを持ちながらそういう事をやりますから、プラシーボではないでしょうかねぇ。

そういう意味では、ことさらハイルドライバーを使用する必要もないんですが、この様に特性図で20,000Hz近辺まで伸びている事を目で見る事が出来ると、まっ、自己満足ではありますが、安心感というか、使って損はないかなという感じになりますね。

という訳で ・ ・ ・  一応、これで、ほぼ完成〜!!

                                                2020年11月17日・記

ページトップへ                         前へ         次へ