麻瀬憧庵                                 

ミッドバス交換 JBL130AをD123へ


 より良い周波数特性を求めて ・ ・ ・ ふっと思いました。 180〜450Hzの中低音域にJBL130A(と言ってもリコーンしたD130 )という38p口径のスピーカーを使っているけど、ちょっと口径が大きすぎるのではないだろうか?
もう少し口径の小さい物の方がこの部分の周波数特性はよりフラットになるのではないか?

思い立ったが吉日、という事で早速探したのですが、候補の131AD131、それのプロシリーズの2130等は出物が少ないうえに非常に高価という事で、結局D123という30cm口径のフルレンジユニットを手に入れました。

















 30cm口径と言ってもコーン紙の直径はかなり小さく、又、非常に浅くユニット自体の奥行きもかなり小さい物です。

このユニットを導入するにあたり、もう一つ考えていたことも試してみました。

現在ウーファーにはJBL2240という46cm口径の物を使っているのですが、何か、こう、音の傾向が上部ユニットとは違う様な、いまいち一体感を感じられないような、ほんの少しの違和感を常に感じていました。

これはどこから来るのかと考えた時に、もしかしたらマグネットの違いから来るものなのではないのか? と思いました。

昔々、オーディオを始めた時に購入したJBLユニットは全てアルニコマグネットでしたが、その後だんだんとフェライトマグネットの現在のJBLユニットに切り替わり、そしてまた昔のアルニコユニットに回帰し今のシステムに到達したわけですが、このウーファーだけがフェライトマグネットでした。

と言う訳で、この機会にウーファーを130Aに換えてみる事にしました。

二つのユニットを組み込んで早速試聴したところ ・ ・ ・ ダメでした。

f特性的にはほぼ同じで、別に良くもなければ悪くもないというところだったのですが、高調波歪率がD123の方が悪いのでしょう、音の歪が気になるレベルでした。
全く130Aとは比較にならない程の音の悪さに感じます。 左右二つとも同じような音でしたから、これがこのスピーカーの実力なのでしょう。

改めて130系の音の良さを認識しました。 やはり、これがジムランが作ったスピーカーの中での最高傑作なのでしょう。

結局、ミッドバスは元の130Aに戻すことにしたのですが、低音部に関しては想像していた通り、あやふや感が無くなり音の輪郭がよりはっきりし、音の密度も上がったような感じです。

と言う訳で、ウーファーはこのままにして、ミッドバス用に新たに130Aを購入しました。

グレーフレームのサンスイ時代の古いユニットですが、コーン紙もオリジナルのままでした。
但し、センタードームは両ユニットともべコッと凹んでいました。 まぁ、そのせいで相場より大分安く手に入った訳ですが。

当初、簡単に引っ張り出せるだろうと考えていたのですが、そうは問屋が卸してくれず、結局、この部分を切り取ったうえで成形し貼り戻すという作業を行いました。

やはり、マグネットをアルニコに統一した(超高音域を受け持つハイルドライバーだけはフェライトですが)せいなのでしょうか、低音部のキャラの違いが無くなり、音のつながりがスムーズになったように感じます。

これでいよいよ私のスピーカーシステムも最終局面を迎えたようです。
もうここから大幅に変更する事はないでしょう。

うちのシステムで音のキャラクターを決めているのは、フェノリック・ダイアフラムという特殊な振動板を使ったJBL2482というドライバーとその上の帯域を受け持つ、同じくフェノリック・ダイアフラム使用のJBL2461というドライバーなのですが、このダイアフラムの唯一の欠点は高調波歪が多いというもので、ほぼ1%位に達しますので、結構耳に付きます。

とは言っても、このダイアフラムが発する音の厚さ、輪郭のシャープさ、いぶし銀のような輝きと艶、そして無類の定位の良さ、これらと天秤にかけるととてもこのドライバーを手放す気持ちにはなれません。

2482に関しては、この歪も許容範囲なのですが、2461の方が5kHz位から特に増え始める為この部分が気になります。

フェノリック・ダイアフラムを使った製品には、2470という2461よりも少し大きなマグネットを使った製品もあり、これを手に入れ比較検討後に最終使用機種を決めたいなと思っているのですが、ヤフオクで中々出品されません。
                                                    2023年8月26日・記 

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