麻瀬憧庵                                 

ハイル・ドライバーの導入


結局、周波数特性を測定しながら色々試してみたのですが最初に感じた不満は解消せず、JBL2405に変わるツィーターを探し始めました。

予算としては、2405をヤフオクで売払ったお金で買える位の物、具体的には3万円位の物に照準を合わせました。

ま〜あ、色々探したんですが、見つけたのが ハイル・ドライバーという製品。
これは、ハイル博士という人が発明した、空気の駆動方式がそれまでとは全く違うスピーカーです。

                                  詳しくはこちらのサイトをご覧ください。



購入したのはこちら。

周波数特性 2,00040,000Hzと大変広帯域。
能率 93dB
耐入力 30W 

早速マイクを耳の位置に置いて素の特性を計ってみました。
ツィーターは耳に向けていますので、ほぼ軸上の特性になります。

まあ、2,500Hz位から使おうとすれば使えますが、5kHz位まではちょっと暴れていますね。
10kHzからは結構な落ち込みで、15kHz位から急峻に立ち上がって、18k位でピークを迎え又ストンと落ちています。
マイクの性能もありますが、4万Hz迄はとても再生できないですね。
18kのピークがあまりにすごいので不良品なのかともう1つの方も慌てて測定してみたところ、全く同じ特性でした。

まあ、このピークは実際問題聴こえる事はありませんが、10kHzから15kHzまでの下降をなんとかしないと、周波数特性的には2405を替えた意味が無くなってしまうようですね。

 早速、周波数特性を取りながらシステムの調整をし試聴したところ、2405を聴いていた時とはかなり違うという印象を受けました。
以前聴こえていた、チリチリ、シャリシャリというような音はあまり感じられなくなった事は確かなんですが、それ以上に、ツィーターの存在自体が消えてしまったような不思議な感覚を覚えました。

無色透明、無味無臭というか、固有の特徴が無い、風のような音と申しましょうか。 
今までは2405の個性的な音を聴いていたのかも知れないと初めて気が付いた次第です。

それと特に高域に関してなのですが、音の濁りが減った、端正な音になったという印象を持ちました。
これは、この方式の特徴として音の立ち上がりと立下りの時間が短縮されるという長所があるという事なのですが、その立下りの部分が短くなる事により、今出ている音を濁らす要素が減るという事なのではないかと思います。
要するにダンピングが利いているということであり、それが他の帯域にも好影響を与えているという事ではないのでしょうか。

結局、ちょっとした周波数特性上の問題を克服できればこちらの方が将来の可能性は大きいなと判断し、2405はヤフオクで処分する事にしました。
                                                2020年4月25日・記

2024年1月12日 追記

 その後、色々な変遷を経て最終的なシステムが完成したのですが、その結果、このハイルドライバーの実力を思い知らされることになりました。
詳しくは、『スピーカーシステム最終調整3』 をお読み下さい。


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