麻瀬憧庵                                 



Fブラインドテストの嘘


 よくオーディオ雑誌には、アンプやスピーカー、スピーカーケーブルや色々なアクセサリーなどのブラインドテストなる比較試聴記事が掲載されていますが、それらの記事内容には全く信憑性がないという事に、Eを読まれた方はお気付きのことと思います。

 例えばアンプを変えた場合、アンプの出力インピーダンスはそれぞれ異なりますので、システムのインピーダンスが変わってしまい、ダンピングファクターの変化によりスピーカーの周波数特性が変化します。

アンプの音を正確に比較したいのであれば、スピーカーケーブルのインピーダンスとアンプの出力インピーダンスの和が、全ての組み合わせで同じになるようにしなければなりません。
そこまでした上でのテストでないと、結局はダンピングファクターの変化による音の変化を試聴している事になってしまいます。

これらはスピーカーやスピーカーケーブルのテストの場合も同じことが言え、つまりは最高の状態を比較試聴している訳ではなく、結果は全て出鱈目であるという事が出来ます。

 問題は、このような事を知ってか知らずか、名の知れた雑誌がこんなテストを堂々と行い、高名な評論家と言われる人達が物の価値を決めているという事です。
これらにより、如何に多くの人達が間違った方向へ導かれ、多大な犠牲を払わされてきた事か。

いい加減ここら辺で、正しい知識が知れ渡り、全ての人が本当に楽しいオーディオライフが送れるような時代が来る事を心より望みます。

アンプやCDプレーヤー、ましてやスピーカーケーブル等にお金をつぎ込む事は愚の骨頂。
唯一お金をかける意味があるのはスピーカーでしょうか。それにしても、セッティングを完璧に行う事が絶対条件です。

こちらに『ステレオ』誌によるアンプのブラインドテストの記事が載っています。
これはCで紹介した『オーディオの科学』というサイトで紹介されていたのですが、一時かなり話題になったそうです。
それというのも、オーディオファンの間では超有名なア○ーズの高級アンプが、全員から最下位と判定されてしまったという事で、ネットでも驚きと嘲笑の声があふれていました。

 しかし、これなんかもインピーダンス調整は全くされてない訳で、高級アンプほど自身のダンピングファクターは高い事が多いですので、短く太いケーブルでつなぐと、暗く沈んだ音になる事は当たり前です。この時もこんな理由で最下位になってしまったことは容易に想像できます。

 やはり問題は、こんなテストを平気で行ってしまう雑誌編集者と、何の知識も持ち合わせていない評論家という事になるでしょう。
更にこのテストでは、音の悪い物はデジタルアンプであるという勝手な思い込みに支配されている事が図らずも証明されてしまっていますから、評論家ってどんだけ無能なんだって気分になってしまいます。

 又、このサイトの主宰者がこの記事にコメントしていますが、自分の主張の正しさを証明したいが為か、無理やり自分の都合の良い様に解釈していますね。
例えば、 「とりあえず、アンプによる聴感の差は、これ程の価格差があるにもかかわらず、ほとんど無い」
と書いていますが、全員の評価にそれほどばらつきがみられず、同じ物を最下位に選んでいるという事は、このテストではそれだけはっきりとした差があったという事じゃないんですか、それが真に正しい評価か否かは別にして。

 ほんとはこのテストの本当の問題点に気づき、それに対しての正しい考察を行うべきで、それが出来ていないと、「科学」を標榜するこのサイトの価値を高めることには繋がらないでしょう。

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