麻瀬憧庵                                 


N電源の重要性


 オーディオを始めて少しでも良い音を聴きたいと思い、機材をそろえ、それらの扱いを勉強し、色々手を施してきましたが、音楽信号に乗るノイズを除去する為、というより乗らさない為に行ったいくつかの事について書きたいと思います。

 ノイズの発生源として考えられる物の中に電磁波があります。これはあらゆる電子機器から発せられる物で、家庭内の色々な家電、そればかりかオーディオ機材その物から発生している訳で、更にもっと大きく言えば宇宙からも常に注がれている物です。
これらは目には見えず、耳には聞こえずと、どれほどの影響がある物なのか皆目見当もつかない物ですね。
しかし、オーディオルームにこれらが溢れていて、音楽信号に多大なノイズを付加し音を濁らせている事は紛れもない事実のようです。

という事で、私がまず第一に行った事は、プレーヤーからアンプまで繋ぐラインケーブルを交換する事でした。

右の画像はケーブルにベルデン8412を、プラグにノイトリク(NEUTRIK 今は REANというブランド名が使われているようです)を使用し自作した物です。

ケーブルはスピーカーケーブルに使用したのと同じメーカーの物です。これは昔からレコーディングスタジオでマイクケーブルとしても使われてきた物で、どこで見ても評判がよろしい様です。これを使っておけば後々この部分で神経質にはならなくても良いと言える物でしょう。
ベルデン8412
でっ、使った感想はと申しますと、全体的にすっきり感が出てきます。音もくっきり輪郭が出てくるようです。更に低音、高音ともレンジが伸びたように聞こえます。これなんかもノイズ低減の結果なんでしょうか。

 このケーブルは2芯を取り巻くようにアルミ箔でシールドされていて、これをマイナス側に落とす事により信号ラインにノイズが載らないようになっています。
やはりラインケーブルの中を通過するような微弱電流の場合、空中を飛び交う電磁波の影響をまともに受けているのかもしれません。

このケーブルはネットで探すと1m当たり¥500位で、プラグは1個¥200位で手に入ります。又、出来あいも結構安い値段で出ていますので、1度お試しを。

 次に考えたのは電源の事です。これも良く言われる事ですよね、電源の良否が音の良し悪しに直結すると。
アンプなどの場合、電源から供給される電気エネルギーを利用してプレーヤーから取り込んだ音楽信号を増幅する訳ですから至極当然の話ですよね。
でっ、この電源の汚れには二つの事が考えられます。一つには壁コンセントから取る電気その物にもうすでにノイズが載っているという事。実際、家の中にある家電から発生する色々なノイズがこの電気を汚しているそうです。又、家の中に引き込まれる以前にノイズが載ってしまうという事もあるようです。

 もう一つは、上のラインケーブルと同じように、壁コンセントから機器に入るまでの間に電磁波の影響を受けて汚れてしまうという事。

という事で、次に交換したのが、機材についている電源ケーブルでした。

これもベルデンのシールド電源ケーブル19364 と、マリンコのプラグを購入し自作しました。
電源ケーブルはネットで1m当たり¥1,000位、プラグは¥1,500位で手に入ります。

実は、この電源ケーブルの交換が、今まで行ってきたありとあらゆる事より一番効果があった様に思えます。

目の前の空気の濁りが減り、音の見通しが格段に良くなります。それに伴い、音場も奥行きが広がり遠くで鳴っている小さな音もより鮮明になりました。
ベルデン電源ケーブルとマリンコプラグ

 この電源ケーブルの交換は、アンプのみならず、CDプレーヤーやアナログプレーヤーにおいても同じような好結果が現れます。

一般的に日本で売っている機材に付いている電源プラグは普通のプラグと同じく2Pですよね。
このマリンコのプラグは3Pになっていて、1本はアースに落とすようになっています。(当然受け側のコンセントもアース端子用の穴があいている物でないと使えません)
そして電源ケーブルは機材のアースが取れるように3芯になっていて、これらをやはりアルミ箔でシールドしてあり、これをアース線と繋いで大地に逃がすようになっています。
やはり、この、シールドをするという事、そしてアースを取るという事はとても重要な事なんでしょうね。

但しこの電源ケーブル、非常にぶっとくてごつくて工作は結構厄介です。
でも苦労しがいのある効果が現れますので是非チャレンジして下さい。

 そして最後にした事は電源その物を変更するという事でした。
柱状トランスから家庭に引き込む場合200Vで引かれています。この200Vはいわゆるバランス転送と言われる物と同じでノイズが載りにくい方式だそうです。
ですので、家庭内の配電盤に来ている200Vのまま部屋まで引いて、そこから200Vの電気をとります。
しかし、このままでは100Vの機材は使えませんので、200Vを100Vに落とすダウントランスという物を使い100Vを取り出します。

実は、家を建て直す時にこの事は計画していましたので、部屋に200Vを引いてありました。
で、トランスを購入し簡単に導入終了。

 音の変化はと申しますと、これは色々なところで言われていますけど、効果大です。
やはり全体的にすっきり感が増し、見通しが良くなります。特に低音部の改善ぶりは顕著で、低域への伸び、力感とも断然よくなり、音像もはっきり、くっきりしてきます。
但し、ちょっとトランス本体から出る唸り音が気になりますね。何か箱の様な物に入れないといけません。

ここで購入したダウントランスなんですが、オーディオサイトなんかではオーディオ専用とうたわれたダウントランスが紹介されていますが、5,6万〜10万円以上と非常に高価です。

でっ、色々調べてみたんですが、どこそこのメーカーに特別に発注して作ったなどと書かれている製品も別に真に特注(設計段階から別の物の意味)ではなく、ただの仕様違いにすぎないという事が解りましたので、安心して普通の物を購入して使っています。
購入価格は、ヤフオクで新古品が¥10、000でした。
ダウントランス
200Vを部屋へ引く工事も電気工事士さんに頼むと2万円位でできるそうです。 

2012年10月16日・記


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