2020年3月
先月、ヤフオクで購入したブーツがあまりにも素晴らしかったので、つい欲が出てしまいスキーもほしくなってしまいました。
シーズン中ですので、人気ブランド品や製造年の新しい物、綺麗な物や性能面で評判の良いもの等はやはり値上がりしてしまいます。
という訳で、ブランドや製造年にはこだわらず当時評判の良かった板に絞ってウオッチリストに追加していき値動きを見ていたのですが、いくつかの候補の中から
『FISCHER SCENEO S400 FTi』 に的を絞る事にしました。
検索したところ、製造時期はもう14,5年も前の物なのですが、当時非常に評判の良い板だったみたいで、この板を名機であると絶賛しているブログ記事をいくつか見つけたものですから、名機と呼ばれる板の乗り味とはどんなものなのだろうかと興味が湧いた為です。
150cmと160cmの板がいくつか出品されていたのですが、160cmの方は数人で競る事が多く出品価格よりもつり上がってしまう事がほとんどでしたので、値動きのない150cmの板をお安く落札いたしました。


使用中の『HEAD』との比較

『HEAD』のプロポーション

購入板のキャンバーほぼゼロ

『HEAD』のキャンバー約5mm

金属板で補強

2本の『SCENEO』

『SCENEO500』のキャンバー

プレートの穴 |
この板、プロポーションはトップ118mm センター68mm テール110mmという数値で、ラディウス(回転半径)は、長さ160cmの板が13m、150cmの板は11mという物です。
今まで使っていた『HEAD』の板はラディウス12.9mでしたので、本当は160cmをほしかったんですけどね。
届いた板を見てみると、具合の良い事にスキーセンターと私のブーツセンターがジャストフィット。 バインディングを付け直す必要がありませんでした。
ですが、なんかこの板変なんです。
今まで履いていた板に比べてトップとテールの長さの比率が全然違うんです。
トップが短めでテールが長めになっています。 つまりスキーセンターが普通の板より前方に移動した位置にあります。
今までの板より6cm短いのですが、その短い分ほぼ全部がトップ部分なんです。
なんでこんな形状なのか、板をあおってみたらわかりました。
この板ものすごく柔らかくよくしなるんですが、トップとテールでしなり具合が全然違うんです。 トップは結構硬めで手ごたえがあるのにテールはほんとに柔らかいんです。
当時のこのメーカーの板はどれもこのような傾向にあったみたいなんですが、これはこのメーカーの設計思想なんでしょうかね。
重心を踵側に載せず、トップを良く抑えて乗れという事なんでしょうね。
もう一つ気になったのが板のヘタレです。横に置いてみると何とアーチベンドのキャンバーがゼロ。 ほぼぴったりくっついてしまっています。
因みに『HEAD』の方は5mm弱あります。
柔らかい板はヘタリ易いと言われますからやはり寿命を迎えているという事なんでしょうか。 但し、トップやテールがめくれあがる「チューリップ」と言われる形状にはなっていないんですけど。
早速この板で滑ったところ、ものすごく軽やかでなんかスキーを履いてないみたい。 やはりトップエッジを意識してあげると自在にくるくる回ります。
但し、全てのターンがショートターン。 ロングターンをしようとして荷重を左右スキー均等にかけてあまりしならせないように乗ってもトップがすぐ切れ込んできてスピードが落ちてしまいます。
という訳で緩斜面ではターンするのが苦痛になり直滑降になるんですが、トップの幅広さと短さでキョロキョロしてしまって安定せずこれまた気持ち悪い。
もう1つの欠点は、やはりテールの柔らかさから来るのですが急斜面のアイスバーンに全く通用しません。
トップはそれなりに捉えられても、少しでも踵側に荷重が移動した瞬間テールがズルッと滑り横向きになってしまいバランスを取り戻すのが難しいです。
『HEAD』の前に使っていた 『DYNASTAR』も同じようにトップが硬くテールが柔らかいスキーでしたので、金属板をテール側に張り付けて補強したところテールのずれが抑えられたので今回も試してみましたが、あまり効果は感じられませんでした。
非常に良かったのはコブの滑りやすさ。
前のスキーよりサイドカーブがきつくなったのでちょっと滑りにくさを感じるかと思ったのですが、やはり柔らかさのおかげでしょう、まったくテールが引っ掛かる事もなく、抜けた時の動きも穏やかでリカバリーも簡単。
コブの斜面をテールで削りながら減速する操作も非常にやりやすく、スピードコントロールが容易で楽に下りて来る事が出来ます。
という訳でこのスキー、長所と短所がはっきりしていてとてもオールラウンドに楽しめるスキーとは言い難い物でした。 |
この板を買って3週滑って、13日にて今シーズンは終了。 今年は本当に雪が少なかったですねぇ。
人工スキー場も暖冬の為降雪機の稼働時間が極端に少なかったのでしょう。 例年の半分くらいしか積雪量がなかった為、リフトがどんどん止まって行ってしまいました。
さて来年はどうするか。 この板ちょっと使えないなあと思っていたところ、ヤフオクでこの板の1シーズン前のモデルなんですが、同じ形状で上位に位置するモデルの
『SCENEO S500』 が出品されているのを見つけてしまいました。
長さも160cm、フレックスもずっと硬めだとのことなのでこれなら急斜面アイスバーンもいけるんじゃないの〜と、つい買ってしまいました。
クーポン取得で実質1,000円(送料は別)、S400より安く購入する事が出来ました。 どうせ古い物を買うんですから、スキー用品なら今頃買うのがお得ですね。
届いた板はやはりS400と同じ傾向、トップは硬めでテールが柔らか。 でも全体的にS400よりはずっとしっかりしていて頼りなさはありません。 『HEAD』よりトップ側はいくらか硬く、テール側はいくらか柔らかいという感じでしょうか。
但し、この板のキャンバーも2mmほどしかありません。 これも又へたっているのかそれとも最初からこんな物なのか?
バインディングはソール長310mmのブーツに合わせて付けてありましたので、私のブーツではセンターが15mm前に位置してしまうので付け替えなくてはなりませんでした。
トップピースを外したところ9mm前に移動した跡がありましたので、最初の穴を利用する事にしました。 ヒールピースを20mm前に付け替えて終了。 ブーツセンターがスキーセンターより6mm前に位置する事になりましたが、これ位なら全然問題ありません。
さて、この板はどんなフィーリングなんでしょう。 来シーズンが楽しみです。
