麻瀬憧庵                                 

オーディオ雑記帳その8


 2024年1月19日
アナログ・レコードプレーヤーの問題点

 最近、若い人達の一部にアナログレコードが人気で、新譜をレコードでも発売するミュージシャンも増えているとの記事を読みました。
オーディオの世界では、いまだにレコードを聴き続けているアナログオーディオファンが多数存在していますね。

 私のオーディオ遍歴も当然アナログレコードから始まったわけであり、CDが発売されるようになっても随分と長い間レコードが主な音源でした。
その音源が次第にCDになり、さらにパソコンになりとデジタル音源に移行したのは、ただ単に扱いの簡便さによるものだった訳ではありません。

その昔、長い間スピーカーシステムの調整をしている時に、レコードの音とCDの音の違いに悩んだ事がありました。
その時、ひょんな事から原因を知る事が出来、そのことがアナログ音源への不信につながりました。

・ ・ ・ 原因を知るに至った経緯は こちら をお読み下さい。

つまり、今聴いている音は本当に音源に入っている音なのか? という疑問が生まれたのです。

 アナログレコードは、カートリッジの針先がレコードに掘られた溝内を進むときに振動し、その振動がカンチレバーに取り付けられたマグネット又はコイルを振動させることにより発生する電気信号を、何段かのアンプにより増幅する事によりスピーカーを駆動するわけですが、この針先が溝に触れるという事そのものがアナログ再生の問題点なのです。

理由は二つあります。
一つ目は、溝に掘られた音楽信号を針先が正確に取り出す為には、針先とカンチレバー以外のプレーヤーのあらゆる部分は振動してはいけません。 しかし、実際にはプレーヤー本体をはじめ、アームやカートリッジ等あらゆる部分が振動しているのです。
音楽再生時の空気振動や床から伝わってくる振動などをシャットアウトする為には、リスニングルームにレコードプレーヤーを置くべきではないのです。 しかし、そこまで気を使っているオーディオファンはいるでしょうか。

二つ目は、針先につく埃。 レコードの保管にどんなに気を使っても、1曲再生するだけで針先には埃がついているのが確認出来ます。
片面そのまま再生すると、ただでさえ内周に向かって物理的に情報量が低下していくのに、多量についた針先の埃の為、どんどん音質が悪化していくのがわかります。

結局、こういうことが理由でアナログの音にストレスが溜まるようになり、オーディオの目的である原音再生の追及には向かないと結論を出しアナログをやめた訳なのです。


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