麻瀬憧庵                                 

オーディオ雑記帳その2


 2017年9月30日
EMCフィルター&アース

 先日、ある方から新たな情報がもたらされました。

色々試して劇的効果だった物を挙げます。

静電気対策
振動対策
ノイズ対策
イオン化

全く別物になります。

ブッチャケますと対策無しで聴いている音は、ほぼノイズです・・・・気づかされました・・・

対策を進めていくと、生々しさや音場、DSDなんて言っていられません。「気」の再生になります。
それほど効果あります。

 ・ ・ ・ ・ ・ はぁ〜、なんかすごい事が書かれていますねぇ〜

でっ、教えて頂いたサイトがこちら
『音と映像のトータルコーディネイトショップ』 っだそうです。

その中のオーナーらしき人が書いているブログを読んでみたのですが(無料掲載分のみ) ・ ・ ・ ・ ・
何なんでしょう、この2チャンネラーの様な文章は。
この方、私と同じくらいの年代のようなんですが、当て字だらけの文章って ・ ・ ・ いや、ほんとに読み疲れ!!

内容的には、『AC電源の汚れは想像以上に酷く、そこに載るノイズを取り去ると素晴らしい音に変化する。』
というような事がメインで、静電気などの電荷が発するノイズも問題であるみたいな事も書かれていました。

という訳で、ここでちょっとノイズに関するお勉強をしてみました。

なるほどノイズ(EMC)入門  TDKテクノマガジン
良く分かる 実用ノイズ対策技術   宮崎技術研究所
ノイズ対策の基礎   村田製作所

なるほど、今の世の中電子機器が発するノイズだらけという事なんですね。
特に、接続した機器間に相互作用を及ぼすコモンモードノイズが問題になっているようです。

それらの対策部品としてノイズフィルターやフェライトコア等があるとの事ですが、フェライトコアはすでに家中の電気製品の電源コードやラインケーブルにかましてありますので、今回はオーディオ機器のAC電源ラインにノイズフィルターを導入してみようかと考えました。

更にネットを見ていると、オーディオデザイン社の社長さんらしき方が書かれているブログに遭遇。
電源の高周波ノイズについての解析
電源の高周波ノイズに関する解析 -その2-

AC100Vラインの高周波ノイズの実測値が表示されているのですが、・ ・ ・ 
あら〜!? フィルターの効果ほとんどなし!?

う〜ん、どうしたものか。 っと思案していたんですが、そのブログの中に面白いアースの記事を発見。

アースとアースループの違い、わかりますか?
アースとアースループの違い、わかりますか?(その2:多重アース)
アースとアースループの違い、わかりますか?(その3 これが本当のアースループ)
アースとアースループの違い、わかりますか?(その4 アースループの解決策)

 今まであまりアースには気を使っていませんでして、3Pプラグの機器はそのまま3Pコンセントに刺していたんですが、最近、CP660というパワーアンプをBTL接続して使用する際、ダウンロードした取説に入力と出力のどちらも3Pのまま接続してはいけないとの図解が乗っていたので、チャンネルデバイダーのプラグを2Pプラグに取り換えて使っていたのですが、このブログの記事を読むと、もっとシビアに考えなくてはいけないと思い、こちらの推奨方法を試す事にしたのですが ・ ・ ・ ・ ・

アースとアースループの違い、わかりますか?(その5 アース接続方法のまとめ)

この最後のまとめに出てくる接続方法は、アースを取らない???

多重アースやグラウンドループが良くないことは理解できますけど、アースから電化製品のノイズのみならず、他の家からのノイズが入り込んでくるからアースには接続しないって、ちょっと納得できないんですが。

ノイズも電気信号ですから、電位の低い方へ流れていくんじゃないんですかねぇ〜
っと思いつつも、まぁ〜、なんでも実験あるのみ、自分で経験してその結果を確かめなくてはという事で、壁コンへのアースを取らずに全ての機器を接続し、さぁ、試聴開始。

音が出た瞬間、一瞬やわらかい音に聴こえたんですが、すぐに、『何だ、この気持ち悪さは?』

今まで聴いた事のないような、モヤモヤ感というか淀み感というか、ほんとに気持ちの悪い空気で目の前が満たされてしまったような不快感に襲われました。

やっぱ、これはだめでしょう!!  という事で、アンプの一台のみアースを取り、更にグラウンドループを防ぐために、3Pプラグには2P変換プラグをかましてコンセントに差し込みました。

すると、全く違う音が。  おお〜、これはいい!!

無頓着に3Pプラグをコンセントに刺していた時に比べても、わずかながら空気の透明感がアップしているようです。
昔から1点アースが良いと言われていましたが、この事だったんですね。

 という訳で、思わぬ展開からアースの問題が解決したので、次にノイズフィルターを導入するかという事になりました。
色々探したんですが、値段と信頼性とを計りにかけて
TDK・Lambda EMC FILTER  RSKN−2006』 を選びました。

コモンモードノイズは相互に影響を与えるそうですので、全ての機器の前に入れるのが最善策でしょうが、果してそれでどれ位の効果が現れるのか甚だ疑問ですので、アナログ機器3系統、デジタル機器1系統に分けて合計4個使ってみる事にしました。
定格200V 6A 高周波ノイズ −30dB保証 とメーカーホームページに載っているのを信じて(期待して)これに決めました。
紹介された『アークス』のネットショップで、4個まとめ買いにて合計 12,000円ちょっと。
果してこれが安くつくのか高くつくのか、こうご期待という感じ。


                                注:配線図は現在(2021年8月)のシステムの物です。
配線は上図の様な物です。 

コモンモードノイズはフィルター内の信号ラインと帰還ライン間に入れたコンデンサーが除去しますので、ノイズフィルターは全てアースを取る必要がありますが、機器を繋ぐコンセントは1ヶ所だけでOK。

但し、2口コンセント内部のアースラインは繋がっていますので、3Pコンセントを2つ刺すとグラウンドループが生じてしまいますので、3P⇒2P変換プラグを間に噛ましてあります。

ラインケーブルやUSBケーブル、HDMIケーブル等はつないだ状態でアースも相互にとれますので、ディジタル機器もアースを取る必要はありませんが、パソコン単独で使う場合も、外付けDACへのUSBケーブルは常時刺しておく方が良いですね。

果してどの位の効果が現れるのか、まず初めに図の一番上、左チャンネルのパワーアンプ用コンセントの前だけにノイズフィルターを入れて試聴してみました。

音を出してみると、一聴して左右の音が違うのが分かります。
何か柔らかくなっているというか大人しくなっているというか。

ん!?  でも、これノイズが減ったからとかの結果ではありませんね。

周波数特性が変化した結果の様な気がします。 ドライバー領域の音が少し凹んだような感じです。
そこでチャンデバのゲインを弄り、ドライバーの音量を0.2dB位上げてみたところ、左右のバランスが取れました。






 この状態で左右の音を比較してみると ・ ・ ・ ・ ・ ウ〜ン? ・ ・ ・ ビミョ〜???

ほ〜んの幾らか、音の表面のヌメリ感の様な付帯したものが取れ滑らかになったかなぁ〜という位で、SN比の改善を顕著に感じられるほどの事はありませんでした。

この後、残りのアナログ機器2系統、デジタル機器1系統と順次増やして視聴してみたところ、一番効果が大きかったのはデジタル機器の前に入れた物のようでした。

と言っても、目の前の空気が澄んだというようなSN比の向上をはっきり感じられるような事はなかったですし、想像していた高音部の変化も分からなかったんですが、意外な事に低音部の向上が僅かですが感じられました。
モヤッとした物が少し晴れ、輪郭がシャープになり、音の密度も上がったようです。

と、まぁ 大した変化は現れなかったわけなのですが、実は、この結果はやる前から予想していた物でした。

上にも書きましたが、以前、フェライトコアを80個ほど購入し、殆ど全ての電化製品の電源ケーブルや配電盤のケーブルに装着した事があるのですが、その時も全く変化を感じられなかったからです。

何故こういう結果になったかを考察してみると、考えられるのは次の2つの事だと思います。

まず一つ目に、うちの電気は比較的綺麗なのではないかという事。

面している通りの真向かいに電柱が建っていて、そこにあるトランスから、10メートルほどの距離でうちに引き込まれており、その後、配電盤から200Vのままで隣の部屋であるオーディオルームにひいてあります。
音のみならず、映像もほとんど変わりませんでしたから、元々綺麗な電気なのではないでしょうか。

そして二つ目に考えられるのは、コルグのDSD-DACを導入しているからではないかという事。

このDACでWAVEファイルをDSDリアルタイム変換して聴くと、アナログからデジタルへ、デジタルからアナログへ変換するときに生じる量子化歪を、20,000Hz以上の高周波領域に追いやって再生してくれる訳なのですが、もしかすると、この時、音楽性分以外の余計な電気信号は全て可聴帯域外に追いやってくれているのではないでしょうか。
つまり、電源に載って機器に入り込んでくるノイズも全て処理してくれているのではないかという事です。

CD規格のSN比96dBに対して、DSD規格のSN比120dBというのは、全てのノイズを取り除いてくれている結果という事ではないのかと考えています。

以上、ノイズフィルター導入顛末記でしたが、フィルターと同時にアンチスタHという徐電液と電磁シールド効果を持つというファインメット(FM)シートも購入してみました。
    水系帯電防止剤 『アンチスタH』

プラスティックの帯電防止用に開発されたんでしょうか、別にオーディオ用という訳ではないようです。
対象物の裏側に塗っても表側に効果が及ぶそうで、使い道が広がりますよね。 ほ〜んの少しだけ粘度があるようで刷毛で塗りやすいです。

あらゆる物に塗りたくってやろうと思い、400cc購入したのですが全然減りません。 100ccで良かったかな。
   こちら、フレキシブル磁気シールドシート『ファインメットシート』です。

パソコンに掛けるだけで音が向上したみたいなレビューが乗っていたので試しましたが変化なし。
ディスプレーに掛けて入念に画質の変化を比べましたが、全く変わりなし。
ブログに書かれていたようにケーブルに巻いてみましたが、違い分からず。 と、まぁ、5,000円無駄にした気分。

結構パリパリしていますので、細いケーブルに巻くのは大変です。
 以上、どれもあまり効果を感じる事は多くはなかったのですが、一応これで電源周りを含めたノイズ対策はすべて終了と考えてよいかもしれませんね。 

今回の件で改めて思った事があります。
何か対策を施すと、ほぼ必ず音は変化します。 どうしてもその音の変化は対策の効果であると思いがちなのですが、それが正しい評価なのかどうかは周波数特性が対策前と同一か否かにかかってきます。
つまり、必ずスピーカーの『音の焦点合わせ』を行ったうえで判断を下さないといけないという事です。

音は周波数特性で決まります。 音のキャラクターのみならず、歪感や濁り、透明感等、全てが周波数特性で決定されるといっても大げさではない程、一番大事な部分です。

今回ノイズフィルター導入で、以前とはかなり違う周波数特性に変化したみたいで、再セッティングするまで1週間くらいかかってしましました。
という訳で、何かやる度にスピーカーケーブル長による焦点合わせを行うのは大変な作業になりますので、この点から言ってもマルチアンプによるマルチチャンネル化は最善のシステムであると言えるでしょう。

ともあれ、今回の投資は安心料、保険料という事で 一件落着〜!

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