麻瀬憧庵                                 


弁天ブログ掲載記事BDVD


2010年6月4日
『THIS IS IT』

 いらっしゃいませ。麻瀬憧庵(マセドアン)です。

 皆さん、音楽はお好きですか?洋楽はお聴きになりますか?
私は洋楽大好きです。Jazz、 R&Bを中心に只今音楽三昧の日々を過ごしています。
 そこでこれ、『THIS IS IT』です。  
言わずと知れた、幻となってしまったマイケル・ジャクソンのロンドン公演のリハーサルの模様が記録された映画ですね。  
去年から見たかったんですけど、この度、そのDVDをヤフオクで安く手に入れました。

 いや〜 これすごいです〜。
というかマイケルすごいです〜。

 このリハーサルを撮っていたカメラは2台ほどしかなかったみたいで、その結果、これまで見てきたPVやライブDVDのようなカット割りがほとんどなく、マイケルのダンスを一部始終はっきりと見ることが出来ます。

 いや〜、その動きのすごさと言ったら! 50歳なのに、5000人超から選ばれた精鋭のダンサーよりダンスの切れがある。
あの足とか手の動きのスピードはもう尋常ではありません。
 更にすごいのは、マイケルがただ歌って、踊るタレントじゃなかったってことです。
何から何まで、全てマイケルの指示でリハーサルが進んでいくんです。
バンドの演奏しかり、ダンスの振り付け等もまずマイケルが踊って見せ、それを振り付け師が再現し、ダンサーがまねをするという具合です。

 今度の公演の構成は、10年以上前に行われたデンジャラスツアーとほとんど同じなんですが、ダンサーもかなり増え全体的にパワーアップされています。
特にすごいのは舞台と映像との融合で、舞台奥の画面は30m×9mという巨大なもので、さらに3D映像だそうです。 その撮影現場でも、監督や、コンピューター技術者がマイケルの指示を受け制作していく様が映し出されています。
 かつて大ヒットした『スリラー』というアルバムは、プロデューサーであるクインシージョーンズあってのものだろうと思っていたんですが、全くの誤解だったかもしれません。
実際にこの公演が行われていたら、もう間違いなく、史上最高のライブということになったでしょう。

 それにしても、もしマイケルが生きていればこのリハーサル風景が映画になることもなく、マイケルのほんとのすごさに気づくこともなかったと思うとなんと皮肉なことでしょう。
まだ見ていない方は、マイケル嫌いの方も含めて一度ご覧になることをお勧めします。 ・・・・・合掌


2010年6月5日
ライブ・イン・ブカレスト

 いらっしゃいませ。麻瀬憧庵(マセドアン)です。

 昨日に引き続きまして、マイケルジャクソンのDVDです。
1992年、ルーマニア・ブカレストで行われたデンジャラスツアーの模様を記録したもので、マイケルが唯一公式に認めたといわれているDVDです。
キングオブポップと呼ばれたマイケルの、全盛期のパフォーマンスが余すことなく収められた必見のDVDです。
 まずオープニングで度肝を抜かれます。
花火とともに舞台下から、ロケットのように飛び出してきてその場に仁王立ち。 ・・・・動きません。・・・・微動だにしません。
観客熱狂。・・・・まだ動きません。

測ってみました。・・・・1分42秒後、動き始めました。
ゆっくり〜とサングラスを外します。
これを投げ捨ててさあ1曲目のイントロです。

ああ、この時点で失神者続出。 屈強な警備係に大根のように引き抜かれ、タンカに乗せられ連れて行かれます。もう2度と観客席に戻ることはできないでしょうから、この人達にとってのライブは2分で終了ということです。

もういきなり全開。ダンスすごいです。言葉もありません。途中でやめられません。見続けてしまいます。
 舞台自体はチープです。金かかっていません。メインダンサーも4人しかいなくてセットも貧弱です。 しかし全然気になりません。マイケルの存在感は際立っています。ダンサー要らない位です。

 実際何曲かマイケル一人だけでパフォーマンスする曲があるんですが、そちらの方が良い位。 
特に『ビリージーン』。・・・これはもう最高です。
筆舌尽くし難し。この曲終わらないで永遠に続いてほしいと思ってしまうほど見事です。
ムーンウォークってこの曲の中で行われるんですが、これほどはっきり映し出されているDVDって他にないんじゃないでしょうか。
でも解りません。何度見てもどうなっているんだか。キツネにつままれたような不思議な感覚に襲われます。

 初めてこのDVDを見た時、途中であることが気になり出しました。それはエンディングです。
いったいどうやって納めるんだろう。普通に最後の曲を歌って舞台裏に引っ込んだんじゃお客1人も帰らないぞ。
アンコールの拍手、1時間でも鳴りやまないんじゃないか? 最後の曲で納得しました。
ああ、この方法しかないよなぁ。ここまで考えているんだぁ。

 実は『THIS IS IT』のエンディングも同じようなことが用意されていました。但し、このブカレストは野外のサッカー場でした。ロンドン公演は屋内ですので、全く同じという訳にはいかず、3D映像を使いこれと同じようなエンディングに持っていくつもりだったようです。
詳しくは、実際2本のDVDを見てください。絶対に後悔はしません。

 あっ、私、別にマイケルのファンではありません。曲を聴くようになったのもここ1〜2年です。そんな私でも大納得なDVD。それがこの2枚です。
ちなみに、稲城図書館にはDVDはございません。残念。
                ・・・・・・ 2013年11月23日追記: 『THIS IS IT』は、現在、稲城図書館所蔵です。
しかしCDなら、去年発売になった『THIS IS IT』他、ベスト盤が何枚かあります。 稲城図書館はこちら

2011年7月7日
サマータイム

お暑うございます。 麻瀬憧庵(マセドアン)です。

 もう梅雨明けたんですかぁ もう夏なんでしょうか。
なんか長い夏になりそうですねぇ、節電の夏だというのに 。
サマータイム制を導入している企業もあるそうですし、土、日曜に操業振替している工場もあるそうですけど、この暑さじゃ電力需給も逼迫してくるかもしれませんねぇ。

 ところで、 去年、稲城図書館の視聴覚資料(CD,DVD)について当ブログでお知らせしたんですが、ご利用されていらっしゃいますか?
私は、おととしから去年にかけて350枚位のCD,DVDを借りました。
しょっちゅう中央図書館まで出かけていたんですが、いつ行っても貸し出されていないCDが多くあり、その中にとっても素晴らしい出来のCDが含まれているんですよぅ。 これは全く、宝の持ち腐れ状態なわけで、何とももったいない。 と、いう訳で、私が感動した、CD(DVDも)を紹介していこうかなと思っています。

 まず本日は、『サマータイムマシンブルース
元は劇団ヨーロッパ企画の戯曲だそうで、本広克行監督により映画化され、2005年9月3日に公開されたそうです。

あらすじは以下のようなものです。(ウィキペディアより抜粋)
「SF研究会」のだらしない部員達に起こるドミノ倒しコメディ。前日にクーラーのリモコンが壊れてしまい猛暑の中ぐったりしてる部員達の前に突然タイムマシンが出現する。昨日に戻り、クーラーのリモコンを取ってこようと思ったメンバー。しかし、タイムトラベルしたことが面白くなった面々は、過去の世界でフザけたことばかりする。そんな中、過去を変えると今が消えてしまう可能性がある事を知った。慌てた部員たちは自分たちの「今」を消さないために、大急ぎで以前に自分たちが過去でやらかした一連の行動が致命的なことにならないようにリカバリーしようと奮闘する。「昨日」と「今日」だけのタイムトラベル物語。 と、あります。
 実際は、25年未来と99年過去にも行ったり来たりするんですけどね。
 出演は、瑛太、上野樹里、真木よう子、佐々木蔵之助、劇団ヨーロッパ企画の俳優さん他です。

 まぁ〜っ、 これはおもしろいですよ〜!

 脚本が素晴らしい タイムマシンが出てくるSF物というのは、どんなメジャー作品でも必ずタイムパラドックス(劇中で佐々木蔵之助が説明してくれる)に陥るんですが、この映画では、細かいところまで計算されていて最後まで納得させられる出来になっています。 なにしろ、どのカット、どのセリフも全て、過去、あるいは未来とつながっていて、見ていくにつれ、「あぁ〜なるほどぉ」と思わせられるシーンばかりです。

 ただ一つだけ、戯曲では25年後の青年が作ったことになっているそうなんですが、映画では、「ターミネーター」や「ターミネーター2」を思い起こさせる終わり方になっているんです。この点が、ちょっと。鶏と卵、どちらが先。みたいな事になってしまいますんで。戯曲のまんまがよかったな。 この1点だけ差し引いて、99点。素晴らしい映画です。

 私、テレビを見ないもので知らないのですが、これ、テレビでやったんでしょうか?
まだ見てない人はもちろん、テレビで見たことある人も、このDVDをぜひ1度ご覧ください。必ずご満足いただけると思います。
さぁ 図書館へ急げ 稲城図書館はこちら

2011年7月21日
な〜んが、いぐねぇ?

 まったくもって遅ればせながら、やっと見ました。
2004年の作品なんですが、図書館に並んだのは最近の事らしく、予約の列に並んで忘れたころに借りられました。
 スウィングガールズです。

 う〜ん、この映画どう考えても1級品とは呼べない出来なんです。 脚本、演出とも穴だらけ、突っ込みどころ満載!!
何とも納得できない気分のまま見ていくことになるんですが・・・

なんなんでしょう? 見終わった瞬間のこの気持ち良さは!?

 最後、女子高校生ビックバンドがジャズスタンダードを3曲演奏するシーンがあるんですが、ここ鳥肌もの、しびれます。
この映画、出演者が実際に演奏しているというのが売りなんですが、ブラスに関してはそんなの分かりはしません。アフレコでも全然オッケーなわけで、「ほんとかよ?」という疑念を持ちつつ見てしまうだろうと思っていたのですが・・・
 1曲目の「ムーンライトセレナーデ」の頭、ドラムから入りすぐブラスの演奏が始まるんですが、このドラムを叩いている女の子が結構うまい。又、気持ちよさそうな顔して叩くんです。 ブラスはだませてもこのドラムは一目瞭然。音と映像がほんの少しでもシンクロしていなければすぐわかりますから。 この瞬間、「こいつらほんとに演奏している」と音楽に没頭できる状態になってしまいました。
それからの10分間は至福の時間。最高の高揚感と感動を味わえます。

 アンサンブルも素晴らしい。ソロパートもなかなかの出来です。とくにトロンボーンソロを披露した本仮谷ユイカという女優さん。頭をちょっと斜めに揺らしながらスライドを操る姿はすごくカッコイイ。谷啓(元はプロのトロンボーン奏者です)が音楽教室の教師役で出演していますが、彼も真っ青のカッコ良さ。まったく楽器初めてだそうですけど音感いいんでしょうねぇ! スウィング感最高です!!  

 それにしてもこの映画、この年の日本アカデミー賞の最優秀脚本賞(他の賞も多数)を受賞しているんですが、嘘だろうと思うぐらい雑な脚本。途中でこれは漫画、あるいはファンタジーなんだと思わないと映像に没入できません。 ただ、やたらテンポはいい。このテンポの良さに乗せられて最後まで見てしまうという感じです。
 このDVD、監督と出演者の会話が楽しめるという副音声が2パターン入っているんですが、それを聞きながら都合3回連続して見てしまいました。

 見ながら、聴きながら感じたのは、やっぱこの監督1流とは言い難いなっ、という事。
どうも観客を喜ばす為には、ギャグを散りばめないとだめだと思っているみたいで、まぁつまらないギャグの連続、それも同じたぐいのものを何度も入れてくる。 最後の演奏シーンでそれを入れられた時には、心底怒りがこみ上げてきました。  この映画別にコメディーにしなくても良かったんじゃないんですかねぇ?

 ただこの監督、アイディアマンですねぇ。目の付けどころが素晴らしい。最優秀企画賞なんかだったら納得いくんですけどねぇ。因みに『ウォーターボーイズ』もこの監督です。

 それともう一つ思ったのは、主役を演じた上野樹里という女優さんの素晴らしさ。
この撮影時17歳位だったようですが、各シーンのその人物の心情の捉え方がうまいですねぇ。 もう、表情が千変万化。運動神経もいいんでしょうねぇ、動きも素晴らしい。サックスを吹いているときの足でのリズムの取り方、交差点で踊りだすシーンでのステップの気持ち良さ。 最後はこの人見る為にこのDVD見ているようなものでしたねぇ。

 監督とのやり取りを聞いていると、この人がイメージした演技をわざわざ監督が悪く直してしまっているというのが良くわかります。そこ、見ててほんとに違和感のあるシーンなんですよ。
テレビで見た方が多いと思いますが、ぜひDVDを借りてもう3度見て下さい。

 実は、前回紹介した『サマータイムマシンブルース』。図書館ホームページで「上野樹里」で検索した結果見つけたものでした。 他に、『グーグーだって猫である』『ジョゼと虎と魚たち』等の出演DVDも図書館にあります。

稲城図書館はこちら   むっ! 今なら予約2人だけだ。

2011年8月15日
今日は何の日?

 終戦記念日・・・ですが・・・・・
42年前の今日、アメリカニューヨーク郊外べセルの丘に、30万とも40万ともいわれる若者たちを集めて行われた野外ロックフェスティバルがあります。
wood stockです。

 三日間にわたるコンサートの模様が克明に記録されています。 いや〜、これを図書館で見つけた時には驚きましたね
ぇ!!
ウッドストックかよ? 稲城図書館スゲェー」って。

 これを見て驚いたのは、このイベントを計画したのが、当時駆け出しのコンサートプロモーター、弱冠25歳のマイケル・ラングという若者だったという事でした。 彼と数人の仲間達がこのフェスティバルを成功させたという事は全く想像もつかないことでした。 もっとも、これだけの観客を集めた場合、会場までのアクセス、宿泊施設、食事や救護体制まで考えたらとても不可能に思えますから、向う見ずの若者でなければ考えつかなかったことなのでしょう。
 前売りチケットは20万枚売れたそうなんですが、チケット持たない人々が押し寄せ、高速道路は大渋滞、会場周辺はとんでもないことになってしまい、挙句の果てにフェンスを壊して人々が乱入してくる事態になり、主催者は無料コンサートを宣言します。

 いや〜、丘を埋め尽くす人の群れ。壮観ですよぉ〜!
演奏する側もすごい熱気。これだけの観客を見たら熱くならない訳がありません。最高のステージが展開されます。
まぁ、場違いなグループもいるような気がしますけど。

 私のお勧めはジョー・コッカー、テンイヤーズアフター、サンタナ、ジャニス・ジョプリン
特にジャニス。もう最高のシンガーですねぇ!! この人を超える歌手はもう出てこないんじゃないんですか?
曲の最後、シャウトするんですが、これもう歌じゃありません。魂のほとばしりです。これじゃ早死にするわけだぁ!
実際、翌年、アルバム『パール』のレコーディング途中、27歳の若さで亡くなってしまいます。

 とりを務めたのはジミ・ヘンドリクス。あの有名なアメリカ国歌の演奏シーンも収められています。しかし、ジミヘンの演奏時間は、たび重なる雨などの為大幅に遅れて4日目の朝になってしまったそうで、もうお客さんはほとんど帰ってしまった後で、歴史的な演奏(16曲やったそうです)を聴いたのはほんのわずかな人だけだったようです。

 という訳で、ウッドストック、知らない人も是非1度ご覧になって下さい。洋楽好きにはたまらないDVDです。

2011年11月2日
君は『イージー☆ライダー』を見たか?

 40数年前のアメリカの映画に、それまでのハリウッド映画とは全く異なるテイストの一群の作品がありました。
当時日本では、これらの映画を「アメリカンニューシネマ」と呼んでいました。
それらが生まれたことは、ベトナム戦争の泥沼に足を突っ込み、全く出口の見えない焦燥感や閉塞感がアメリカ全土を覆っていたことと深い関係があるでしょう。

 アメリカには正義があるのか? 政府の言う事に真実はあるのか? それらの疑問が今までの勧善懲悪、ハッピーエンドというノー天気な映画作りに疑問を感じさせ、アメリカの、アメリカ人の、心の内側を赤裸々に表す映画作りに向かったのでしょう。

 その中の一つに、歴史に名を残す(1998年にアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。)大傑作イージーライダー(1969年 日本公開は70年)があります。
 製作はピーター・フォンダ、監督はデニス・ホッパー。そしてこの二人が主役の二人のヒッピーを演じています。更に脚本も共同執筆に名を連ねていますし、ピーター・フォンダに至っては製作会社まで自分で作ってしまったそうです。

もうほとんど自主製作映画のノリなんですが、さすがアメリカ、スケールが違います。

 当時、今のようにネットで映画の情報を仕入れて、ある程度内容を把握してから見に行くなどという事はありませんでしたので、タイトルから受けるイメージそのままに『二人のヒッピーがバイクで気ままにアメリカを旅するロードムービー』だろうとたかを括って映画館に入りました。
 全編を流れる挿入曲がカッコいいんですが、特にこれ。コカインの密輸によって得た金でチョッパーを購入し、ニューオリンズを目指しカリフォルニアを出発した二人が、コロラド川に架かる橋を渡るシーンでクレジットと共に流れる曲。
ステッペンウルフの「Born To Be Wild(ワイルドで行こう)」です。

う〜ん、この曲のイントロが始まった瞬間、背筋がゾクゾクして体中が痺れましたねぇ!!
映像と音楽が最高にマッチして言葉にできない高揚感と解放感。もう心と体が空高く吸い上げられそうでした。

 でっ、彼らが旅する途中で色々な事に出くわすんですが、何んとなく見ているこちらの気持ちが変化して行くんです。最初に感じた解放感やハッピーな気持ちは段々と澱んだ物に変わって行き、得体のしれない不安感が段々大きくなって行きます。

 彼らと一緒に旅をする事になるアル中の弁護士の役で出演しているのが、オスカー3度受賞の名優、ジャック・ニコルソンです。

 彼はこの演技でオスカー助演男優賞に初ノミネートされ、名が知られるようになりました。 実際、映画館でこの人の演技を見た時は強烈な印象で、名は知らなくても顔と演技は二度と忘れられない俳優となりました。

 劇中、彼がアメリカについて語るんです。アメリカの自由の実態。自由を標榜するアメリカ社会(南部の白人社会ですけど)の本音。

 そしてこの後起こる惨劇。 やり切れない気持ちのまま、唐突に訪れるラスト。
いやもうこれほどの衝撃を受けたラストシーン、後にも先にもありません。

なんで? ありえないだろ!? えっ!! ありえるの? これがアメリカ? これがアメリカ人?

 もう頭の中大混乱。 吐き気を催す程の不快感を感じながら映画館を出た記憶があります。映画に対してではなく、アメリカ社会に対しての不快感でした。

 映画は最高 ★★★★★

 アメリカに留学する人はみんな1度はこの映画を見といた方が良いんじゃないでしょうか。
ハロウィンでお菓子をもらいに行って撃ち殺されることも避けられるんじゃないのかな。

このDVD 稲城図書館所蔵です。皆さん先を争って借りて下さい。 稲城図書館はこちら

2011年11月2日
クリスマスにはブルーベリーパイを

 ノラ・ジョーンズをよく聴くんですけど、彼女が初主演した映画のDVDを稲城図書館から借りてきました。
 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』です。

 演技の方は・・・どうなんでしょう。・・・英語なんで・・・うまいんだか、下手なんだか・・・良く分かりません。

 見始めは、表情がちょっと大げさかな、とも思ったんですが、彼女顔が濃イイですから、そのせいかも知れません。
 普通の俳優が演じているがごとく、何も違和感を感じずに物語に入り込めます。
 で、映画の出来はと言いますと。

 イヤ〜これがイイ !!!

小説でも映画でも、大事なものはなんといっても「起承転結」。これが基本中の基本でしょう。 この映画はこの基本がしっかりと押さえられています。
 さらにこの「起」「承」「転」「結」のそれぞれの中に起承転結があるがごとく起伏に富んだ物語が展開されていきます。ちょっとオムニバスを見ているような感じがします。

 でっ、見終わった瞬間の幸福感。満ち足りた気分のままエンドロールを見ていると・・・
「制作」ウォン・カーウァイ !? 「脚本・監督」ウォン・カーウァイ !!

あら〜、パッケージに大きく書いてあったぁ。全然気付かなかったぁ。

やっぱ、映画は脚本と監督で決まるんですねぇ!!
クリスマスの夜は、こんな映画で心温まる時を過ごすのも、アリ。なんじゃないでしょうか。

2012年2月24日
祝・復活!!

 フリースタイルスキーのワールドカップ(W杯)モーグル苗場大会において、19日に行われたデュアルモーグルによる第10戦で、上村愛子(北野建設)が2位に入りました。

 彼女は現在32歳ですが、今でも日本のモーグル競技の第一人者であることを証明しました。
2年後のオリンピックに向けてやる気満々みたいですので大いに期待したいところです。

 是非、メダルを取らせてあげたいところですが、競技形態が少し変わり、決勝の上位4選手は更にもう1本滑って雌雄を決する方式になったようですので、再来年34歳の彼女にとっては体力的に相当きつくなるでしょう。

 という訳で、今日ご紹介する稲城図書館所蔵のお勧めの1枚は、上村愛子モーグルテクニックです。
 スノーボードに押され一時は絶滅しそうになったスキーヤーも、カービングスキーの普及と共に増大し、今ではスキー人口がスノーボード人口を再逆転したみたいですね。

 元々スノーボードは、山の中の深雪を滑るためにサーファーが思いついたと言われていますからゲレンデを滑っているだけでは飽きちゃうでしょうね。  
それに危険です。1年に何人も亡くなるスポーツなど他にないでしょう。
 という訳でやっぱりスキー。これはもう飽きません。上手くなればなるほど面白さが増大しますから。

 スキーを上手くなるには何と言っても基本をしっかり身につけることです。地上で行うスポーツとは感覚、体の使い方、力の掛け方等全く違いますので、自己流でやったのでは絶対上手くなりません。
 稲城図書館には5,6枚のスキーのDVDが有り、有名デモが出ている物も有りますが全く役立たず。上手くなりたいと思っている方が見るにはこの1枚です。

 コブの滑り方を教える前に基本の重要性を説き、なおかつ基本の全てがプルーク(ボーゲン)にある事を教えてくれます。そして今では誰も言わなくなってしまった、外スキー1本で滑ることの重要性を言葉と映像で示してくれます。   そしてコブの滑り方では、上体の使い方、意識の持ち方、ストックの使い方、つく位置等、目から鱗の話ばかり。非常に詳しく解説してくれています。  

 私はどうしても解決出来なかった長年の疑問がこれを見てすべて氷解。次の週にはコブ楽勝になりました。

 という訳でこのDVD、大、大、大お勧め!!!

2012年4月21日
タイトルに誘われて。

 最近読書しませんねぇ。どうもパソコンに向かう時間が増えるに従い、生の活字に接する時間が激減していくようです。 でも実は活字好き。
かつて朝、夕刊取っていた頃は、隅から隅まで読まないと気が済まず、1時間半から2時間は読んでいました。
 流石にそのような時間はもったいなく思うようになり、スポーツ紙1紙のみ置くことにしました。  
これならあっという間。ギャンブル面は読みませんし。

 という訳で、今日ご紹介する稲城図書館所蔵のお勧めの1枚は、 こちらのDVD。
 う〜ん、いつかっていつなんでしょう? 気になります。

 主演は田中裕子。この人デビュー当時はとっても好きな女優さんだったんですが、そのうち向田邦子の本の中の主人公を演じだしてから、あまりにも同じような役ばかり演じるようになった為、興味がなくなっていたんですが、今作の主人公の役柄はそれとは全く別の描かれ方で、やっぱりこの人相当上手と思わせられるような演技で大満足です。

 共演は岸部一徳。この人、もう立派な俳優さんですねぇ。どんな役をやっても違和感なくこなして仕舞いますし、存在感も大したものです。
 でも、元々はグループサウンズと呼ばれたバンドの中の一つ、ザ・タイガースのベーシストだったんですよねぇ。
 因みに田中裕子の旦那さんは、このザ・タイガースのボーカルを務めていたジュリーこと沢田研二です。撮影中どんな話をしていたんでしょうかねぇ。

 で、読書する日はいつなのか? このタイトルの意味は? ・・・・・ 成程、そういう事ですか。

 最後、悲しい結末なんですよ。 ・・・悲劇です。
でも、何かあまり悲しみを感じない。清々しささえ感じてしまうような、何とも奇妙な、かつ納得してしてしまうような終わり方。それもやはり田中裕子の表情から感じる物なのでしょう。

 やっぱり、最後やりきれないような暗澹たる思いばかりが残るような映画はちょっとかんべんしてほしいですからねえ。
イヤ〜、なかなか良い映画でした。テレビでもやったようなんですが、見逃した人は是非借りて見て下さい。

2012年4月25日
Soup・Opera

 いえっ! あのっ! ソープ・オペラ(昼ドラの意)ではありません。
soupと書いてスープ。スープ・オペラです。
 阿川佐和子の小説を原作とし、『いつか読書する日』の青木研次が脚本を書き、『イキガミ』の瀧本智行が監督をして2010年に公開された映画です。

 このDVDが3月に稲城図書館に並びましたので、予約の列に並んでこの度借りられました。
 まぁ、取り立てて何が起こるというような話ではありません。 善良ながら何かちょっとづつ普通じゃないところがある登場人物の皆さんが織りなす、なんとなくホンワカする物語。

 それはあたかも、主人公が鳥ガラとくず野菜で作るコンソメスープがもたらす幸福感の如く、じんわりと心の隅々まで届いていきます。

 う〜ん。今、日本映画って面白いですねぇ。 どの映画も基準ラインをクリアしているような。チョット前には考えられなかったほどレベルが上がっていますよねぇ。  これ位ならお金を払って映画館に入ることを躊躇しなくても良いかもしれません。

 因みに、当店にはコンソメスープはございませんが、ポタージュが2種類(じゃが芋と人参)ございます。特に人参のポタージュは、人参嫌いの方にもお召上がり頂ける位クセがございませんので、1度ご賞味ください。

2012年5月5日
今日もチキン。

 今日ご紹介する稲城図書館所蔵のお勧めの1枚は・・・・・
 『BIRD』です。

ビ・バップと呼ばれるジャズの手法の父と称されるチャーリー・パーカー(Charlie Parker)の伝記映画で、バードとは彼の愛称です。

 監督したのはなんとクリント・イーストウッド(Clint Eastwood )。  実は彼はジャズ好きとして知られ、俳優になる前はジャズミュージシャンだった時期があるそうです。 彼の息子も又、ジャズベーシストとしてアルバムを出しています。

 当時のジャズミュージシャンの中には、麻薬に溺れ、若くして亡くなってしまった人がたくさんいたのですが、チャーリー・パーカーもまた麻薬から手を切ることが出来ず、34歳で亡くなっています。
 ジャズ好きにはたまらない、とても良く出来ている映画で、特に演奏シーンで使われている曲は、チャーリーの実際の演奏を使用して、その音に当時の有名なミュージシャンの演奏を合成させて造り上げた物だそうです。
 ただ、映画のラストに検視官が電話で「推定年齢65歳」と報告するのを聴いていた女性が「34歳よ」と告げるシーンがあるんですが、このシーンちょっと違和感を感じてしまいました。
 それというのも、昔、伝説の女性ロッカー ジャニス・ジョプリンの亡くなる直前の歌唱シーンをテレビで見たことがあるんですが、「あぁ、すごい年取ってるなぁ。60歳位の時の映像かなぁ」と思うほどの老け具合で、直後「あっ! ジャニスって27歳で亡くなっているんだ!!!」っと、ものすごい衝撃を受けた事があるんです。

 やはりジャニスも麻薬により寿命を縮めた訳で、この映画でももっと老けさせたメイクを施した方が、最後のやり取りが心に響いたんじゃなかろうかと思ったわけです。
 ただ、これは私が気になっただけで、映像も当時の雰囲気をよく表していて、イーストウッドの監督作の中でも、良作品としてお勧めの1枚です。

2013年5月4日
謎、解けました。

 ちょっと気になっていた映画のDVDを、3本立て続きに稲城市立中央図書館から借りて来ました。
見た順に並べると、
  

 1本目の『ポテチ』は去年(2012年)の作品。今年の1月頃、新着資料に並びましたので予約を入れて、やっと最近借りる事が出来ました。
 2本目の『アヒルと鴨のコインロッカー』は2007年の作品。この2本は、いずれも原作者が伊坂幸太郎。監督が中村義洋。
 3本目の『ハッシュ!』はちょっと古くて2001年の作品。監督・原作・脚本 橋口亮輔となっています。
でっ、お薦めはと申しますと。 これはもう、圧倒的に大差を付けて『ハッシュ!』です。

 他の2本も面白いんですよぅ。でもな〜んか引っ掛かる部分がチョコッ、チョコッと出てきて、そこでチョットさめてしまって。映画の進み具合に比べてこちらの気持ちが乗って行かないという感じがして、見終わった瞬間に満足感が味わえないという感じなんです。おそらく、小説を読んだ方が面白いんじゃないんでしょうか。

 『ハッシュ!』はこの引っ掛かるような部分がほとんどなく、映画の進行に合わせてこちらの感情も同時に盛り上がって行き、終わったと同時に 「いや〜、おもしろい映画だったぁ〜」 という満足感が体中に充満します。
 この映画、編集がとても良いですね。無駄なシーン、無駄な時間が全くありません。全ての間(ま)が最高に気持ちいい。
 内容はある女性がゲイのカップルの一人に精子を提供してくれるように申し入れるという物なんですが、このゲイを演じたのが田辺誠一。 これがとっても上手。ゲイの人が持っているほんのチョットした雰囲気をうまく表現していて、「あなたもしかして本物?」 っと思える位。彼はこの映画でいくつかの映画祭の主演男優賞を獲得しています。 他の俳優もみんなすごーく上手。俳優の演技で引っ掛かる事はありません。

 口喧嘩のシーンを見ていていつも白けてしまうんです。 「カッとしている時に、それこそ台本を読むようにスラスラと言葉が出てくるなんておかしいだろう?」 って。 この映画にもそんなシーンがあるんですが、片方の俳優が完全にセリフがつかえて、再び言い直すんです。 それを見ていて、「そうだよ。これだよ、これ。興奮しているんだから、つかえたり、どもったりする方が自然だろ!」 っと激しく同意。 やっぱ、脚本、監督、俳優の3要素がうまく混じり合った時にほんとにおもしろい映画が出来るんでしょうね。

 この映画、存在はずっと昔から知っていたんですが、気になっていたことが一つありました。 それはこの映画の題名。 『ハッシュ!』 って何の意味なんだろう。という事なんです。
 で、見て分かりました。エンドロールで流れる(途中で挿入曲としても流れる)この映画のテーマ曲が、「BobbyMcFerrin」『Hush Little Baby』 だったんです。つまり、『シーッ!』 ということですね。

2013年7月8日
韓国映画

 先月の稲城市立中央図書館新着資料に、変わったタイトルのDVDを見つけましたので借りて来ました。
 『トンマッコルへようこそ』です。

 最近の韓国映画の評判が良い事は知っていたのですがあまり見る機会がなく、どんなもんなんだろうなぁ、っとずっと思っていたのですが、資料詳細を見たところこれが韓国映画だと知り、いい機会だと思い見てみる事にしました。

 事前に予備知識を仕入れることもせず視聴したのですが、まぁ〜、驚きですぅ〜!!
これ、おもしろい〜、というか、最高ですぅ〜!!

 何しろ脚本がまずイイ〜。しっかりとした起承転結の上に、笑いあり、涙あり、アクションあり、緊張感溢れる場面と弛緩した場面の配分や転換も上手。あらゆるジャンルの映画を全部ぶちこんだような特級のエンターテインメントです。その上これらを完璧に映像にした監督が又素晴らしい。  
 更に編集がウマすぎ〜!! 各シーンの繋ぎも時間配分も完璧。アクションシーンのカット割りのうまさは韓国映画全部に共通する事だというのは知っていましたが、この映画で再認識致しました。 そして当然、俳優陣もみんなお上手。 この映画欠点ないですね。 こりゃ、日本映画束になってかかっても勝てません。

 韓国映画って、みんなこんなに面白いんでしょうかねぇ? もっともこの映画、国内の映画賞総なめにしたみたいですから特別ですよねぇ。 当然興行収入第一位、国民の6人に1人が見たそうです。

 という訳で詳しい内容については書きません。とにかく面白いですから、皆さん是非ご自身の目で確かめて下さい。 稲城図書館へ急げ!! オッ、今なら予約者なしだ。

2013年7月24日
エルビス・オン・ステージ

 今日ご紹介する稲城市立中央図書館所蔵のお勧めの1枚はこれです。
「エルビス・プレスリー」のラスベガスのホテルでのライブを記録した
『ザッツ・ザ・ウェイ・イット・イズ』です。

 この人、ビートルズが出て来るまでは世界NO.1のアイドルだった訳ですが、どうもその部分が強調されて取り上げられる為、大分誤解していたみたいです。

 このDVDを見ると、彼の天才的な才能がはっきりと見て取れ、現代音楽にどれほどの貢献をし、どれほど偉大なアーティストだったのかが良く解ります。
 まだ人種差別意識が強烈に残っていた時代に、黒人音楽のリズム&ブルースと、白人音楽のカントリー&ウェスタンを違和感なく融合させ熱狂的な音楽を生み出した、正にロックンロールの創始者とは彼の事だったのです。
 このDVDには、ライブに至るまでのリハーサルシーンもたっぷりと盛り込まれているのですが、それらを見て、マイケル・ジャクソンの『ディス・イズ・イット』を思い出しました。
 それらのシーンで知ることのできる、彼らの存在の偉大さ。
全ての決め事は彼らの指示により決定していきます。音楽プロデューサーは必要なく、彼ら自身がプロデューサーな訳です。
 彼らがどれほど天才的なアーティストだったのか、このようなDVDを見ることなしには知る由もない事でした。  
更にこの二人には悲しい共通項があります。 二人とも若くして亡くなった事(マイケル50歳、エルビス42歳)。
そして死因がどちらも薬の過剰摂取だった事。表面的な華やかさの裏側に大きな苦悩を抱えていたのでしょう。

 とはいえ、このラスベガスのステージの上ではとてつもないエンターテイナーぶりをいかんなく発揮してくれ、最高のライブパフォーマンスを味わう事が出来ます。
これはもう、どなたにも見て頂きたい大お薦めの1枚です。

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