オーディオ雑記帳その9
ハイルドライバーの領域を広げて使用する実験をしている時に、
JBL2461よりも10,000Hz以下でピークディップが目立つ結果が現れました。 詳しくは
こちら
この
周波数特性の暴れはどうして起きるのかと考えた時、理由の一つとして思いつくのがマグネットの差でした。
今使っているJBLの古いユニットは全て
アルニコマグネットが使われているのですが、最近のユニットには
フェライトマグネットが使用されていますね。
この二つのハイルドライバーもフェライトが使われています。
昔からアルニコユニットの方が音が良いといわれていjますが、何故なのかという明確な答えはどこにも書いてないような気がします。
ちょっと調べたら、日本で今でもアルニコマグネットを使用してスピーカーユニットを作っているという会社の方が、アルニコはアースされているから磁場が動かず、ボイスコイルが正確に動くことができる、というようなことを書いていましたが、
「ハッ〜!? アースlってどうよ?」って感じですね。
ウィキペディアにもおそらくこの方が書いているのでしょう、同じ事が書かれていましたが、この部分、運営から注釈がつけられていて、証明する文献等ご存じの方は書き足して下さいみたいに書かれていました。
そりゃそうですよね。 誰でも
「ハッ〜!?」ですよね。
技術者がこんなずさんな書き方をしてはいけないでしょう。
ただ、磁場が動かずボイスコイルが正確に動くことができるというのは、現象としては本当にそうではないかと感じますね。 スポーツに於いても足元が不安定では、強く正確なジャンプは出来ませんからね。
オーディオに於いては余計な振動は全て排除しないといけない訳ですから。
私の考えは、ユニットの構造上の違いも大きく影響しているのではないかというものです。
アルニコマグネットは丸い棒状のもので、ヨークと呼ばれる鉄で出来た丸い壺の中心に縦に置かれています。
つまり鉄で磁石が囲まれていますから、磁気シールドが施された状態にあるわけです。
これに対しフェライトマグネットは、磁束密度を上げるためには直径の大きな平べったい円盤状に作らないといけないものなので、スピーカーユニット後ろ側にはみ出しています。 つまり磁気シールドされていない状態な訳で、外の磁界の影響を受けやすい構造なのですが、 この違いが特性に表れているのではないかと思うのですが。
この仮説を思いついたので、ちょっと実験してみました。
つまり、ハイルドライバー丸ごとシールドしてみたらどうなるの? という実験です。


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アルミ板を加工して、ハイルドライバーを囲むように包んでしまいました。
この時購入したデイトンオーディオのエアーモーションは丸い形状なので、くるっと1周して封印。
どちらもアースをとってあります。
この状態で周波数特性を測定し、シールドなし状態と比較してみました。
10,000Hz以上は元々暴れが少なくなるので、デイトンの方にはほとんど差異が見られなかったのですが、10,000Hz以下を受け持たせたハイルドライバーの方には驚くべき結果が現れました。
期待した通り、ピーク、ディップの差がかなり縮小しました。
と言っても、2461程でなないのですが。
ここら辺、かなり面白いデータが取れたのですが、実は24年の8月にオーディオ用のパソコンがクラッシュしてしまい、バックアップも疎かにしていた為、24年1月から8月までの測定ファイルがすべて消失してしまいました。 あ〜ぁ 残念。
でも、この時の結果から、マグネットがシールドされているという構造もアルニコユニットの音の良さに寄与しているのは間違いないのではないかと私は思っています。
結局、せっかく購入したデイトンユニットはお蔵入りになり、2461+ハイルドライバーという元の鞘に納まりました。 |