デジタル・イコライザーの導入
スピーカーの周波数特性はフラットでなくてはいけないという思想から出来るだけのことをしてきましたが、いよいよ限界に差し掛かりました。
でっ、前々から考えていたデジタル・イコライザーを導入してみることにしました。
これの使用はずいぶん前から考えていたのですが、一つの危惧から躊躇していました。
うちのシステムは、
DSDDACからチャンネルデバイダー経由でパワーアンプに信号を送るというものなのですが、このチャンネルデバイダーをアナログ方式の物からデジタル方式の物に換える時に躊躇したのと同じ理由なのです。
つまり、デジタル機材にアナログ信号を入れると、その機器の中で一旦デジタル信号に変換されてからデジタル処理され、そしてまたアナログに変換された信号を取り出す訳で、変換処理が2度行われる為、この部分で音の劣化が起こるのではないかと考えてしまうのです。
特に、DSDDACでリアルタイムDSD変換されノイズが極端に低下した物が、何度もアナログーデジタル変換を繰り返すことで
S/Nの劣化につながるのではないかと、それが一番の心配事でした。
幸い、デジタルチャンネルデバイダーでは、体感できるような劣化は全く起こりませんでしたが、イコライザーを入れて、この変換処理がさらに2度増える事に一抹の不安を抱えていたのですl
※デジタル機器同士の場合、デジタル信号のままやり取りができるのですが、うちの場合は左右別々にチャンネルデバイダーを2台使っています。 デジタル信号の場合、左右の信号を1本のケーブルで送るので、1台のイコライザーから2台のチャンデバにデジタル信号のまま送ることができず、アナログ信号にして2本のケーブルで別々のチャンデバに送るようにしないとならないのです。
でもまあ、とにかく試してみないことには何も始まらないので購入を決めました。
Behringer ULTRACURVE PRO DEQ2496です。
いろんな機能を備えていて、ライブ会場やオーディオルームの音響補正を自動でやってくれる機能まで付いています。




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電源投入で左のようなロゴが現れます。
右側に配置されたボタンで色々な事が出来るのですが、私が使うのはグラフィックイコライザー(GEQ)とパラメトリックイコライザー(PEQ)のみ。
GEQは予め決められた31ポイントの周波数を上下できます。
影響を受けるバンド幅も変える事が出来るのですが、1ヶ所変化させると他の全てのポイントも変化してしまいますので、最小幅に設定しておくしかないですね。
増減は±0.5dBづつ。
DCX2496(チャンネルデバイダー)のイコライザー機能では±0.1dBづつ変化させる事が出来たので、これもそうだと思い込んで購入したのですがちょっと落胆しました。
PEQは10ヶ所のポイントを自由に選んで増減する事が出来ます。
その際、変化させる帯域幅も自由に選べ、尖がった凸凹から平坦な凸凹まで好きに選べます。
グラフィック表示のページ1と数値表示のページ2からなっています。 |
最初は選べるポイントも大雑把なのですが、グラフィック表示にしてから、大きいホイールの左側上の小さいホイールをプッシュすることにより、細かい周波数を選べるようになります。
これを使っての周波数特性の変更と測定はかなりシビアになりますので、必ずマイクはそれぞれの耳の位置に正確に置いて行わないといけません。
使用前、使用後のグラフです。

使用前 ⇒ 使用後
大きなディップやピークが補正されました。
凸凹の上下のみならず幅も狭まって、より平坦な周波数特性に変わりました。
再生音もはっきりと変化しました。
今まで、音源によってはピークで少し歪んだりしていた部分でも、音の割れがかなり抑えられ非常に聴きやすい音になりました。
又、左右のスピーカーの特性を各々フラットにすることにより左右の音が近似的になり、特にボーカル等センターに位置する音の音像が音程の変化によりいびつに変化することが少なくなりました。
全体的に音のクオリティーが上がったように聴こえ大満足です。
2025年1月25日・記