2024年12月
最近、どうしてなんだろう? と不思議に思っていることがありました。
ここ2,3年特に感じるようになっていたのが、若い人、それも25歳くらいまでの若い男女がことあるごとに 「ありがとうございます」 と口にすることなんです。
「いらっしゃいませ」 と水コップを置くと 「ありがとうございます」、料理を出すと 「ありがとうございます」、会計伝票を置きに行っても 「ありがとうございます」 いや、これは逆に恐縮してしまうんですけど。
いったい、どうして、今の若者はこんなに礼儀正しくなってしまったのでしょうか。 その理由を知りたいと最近ずっと思っていました。
この店を40年以上続けてきましたがこんなことは一度も感じたことはなかったし、そもそも、子連れの家族の躾けの仕方を見ていると、その子達が高校生くらいになった時に急に礼儀正しい行いをし始めるということも考えられない訳でして、まったくの謎でした。
今日の昼過ぎ、若いカップルがカウンターに座りました。
後でわかったのですが、高校1年の男性と女子大生とのことでバイト仲間のようでした。
この二人も、水を出しても、料理を出しても、伝票を出しても 「ありがとうございます」。
で、他のお客さんもいなかったので思い切って聞いてみました。
「ちょっと質問しても良いですか? ・ ・ ・ 今の若い人はどうして頻繁にありがとうございますと言うんですか?」
二人は質問の意味が掴めない様で、一瞬フリーズしていました。
「あなた達、今、水を出しても、料理を出しても、伝票を出しても言いましたよね。 ここ、2,3年こういう若いお客が急に増えて来たんですけど、どうしてなんだろうと思っているのですが。」
二人jは顔を見合わせながら、「普通に言うよねぇ、友達も言うし」 と、理由なんか解らないという感じでした。
でっ、この件に関する私の疑問を詳しく話していると、高校生の男の子が一言。
「
大人は言わない」。
私はこの発言に食いついて 「そうでしょう! 大人は言わないよねぇ!」
女の子が、「そうお?」 と言うと、「うん、きょうプレート持って行った30くらいの男性は態度悪かった。」
暫くこの話を続けていると、又、男の子が、ふと 「なんか、小学生くらいの時に何かの授業で習ったような。」 と呟きました。
「それって道徳の授業?」 と聞くと、「そうだ、思い出した! 小学生か中学生の時、道徳の時間に、感謝しましょうとか言われたんだ。」
いや〜、この瞬間、私の疑問が一気に解消されました。
今調べたところ、昔からあった道徳の授業が、小学校で2018年度、中学校で2019年度から「特別の教科」として再スタートしたそうです。国の教育再生実行会議の提言を受け、教科化されたもので、各地で相次ぐいじめ問題が背景にあるようですね。
これで頷けますね。 高校生の道徳の話に対して、女子大生が全く乗って来なかった訳が。
この授業が実を結んでいるのが最近の若い人の礼儀正しさで見て取れるということは、将来の日本に明るい未来が訪れるような気になってうれしいですね。
最近の若い人たちの態度を見ていて、自分自身も真似しないといけないと思っていたのですが、いや〜、勉強になりました。
欧米等では、プリーズヤサンキューは当たり前の言葉なのですが、日本でもこのような習慣が若い人達によって根付いて行くのでしょう。
尚、本日をもちまして、本年の営業を終了いたしました。
今年も多くのの皆様にご来店頂きまして
誠にありがとうございました。 来年も変わらぬご愛顧を承りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
年始は
4日の土曜日より通常営業いたします。
それでは皆様、
良いお年を!
